技術概要
世界で人気のクラウドストレージとGfarmの融合
Nextcloudは、オープンソースのファイル同期・共有プラットフォームとして世界中で利用されています。Nextcloud対応(Nextcloud-gfarm)は、このNextcloudの強力な機能を活用し、GfarmファイルシステムをNextcloudの外部ストレージ(External storage)として連携させる技術です。
Nextcloud-gfarmにより、Gfarmが持つ大規模な分散ファイルシステムの容量と性能を保ちつつ、ユーザーにはNextcloudの使い慣れたインターフェース(Web、デスクトップクライアント、モバイルアプリなど)を提供できるようになります。認証には、現代的なセキュリティ標準であるOAuth/OIDC認証が用いられます。JWTサーバとユーザー名、パスフレーズを設定することにより、アクセストークンが自動的に更新され、安全かつ持続的なGfarmへのアクセスを実現します。
特徴と強み
慣れたインターフェースで大規模データ管理
1慣れたインターフェースで大規模データ管理
Gfarmの大容量ストレージを、NextcloudのWeb画面を通じて簡単に操作できるようになります。これにより、ファイル共有、バージョン管理、タグ付け、お気に入り登録など、Nextcloudの豊富な機能を使ってGfarmのデータを管理できます。
2安全で継続的なアクセス
OAuth/OIDC認証の仕組みを利用し、アクセストークンの自動更新を行うことで、セキュリティを確保しつつも、ユーザーは認証切れを気にすることなくGfarmのデータを利用し続けることができます。
3高い信頼性
このNextcloud-gfarmは、筑波大学のPegasusスーパーコンピュータなど、実際のHPC環境で実運用されている実績があり、その堅牢性と信頼性が証明されています。
4容易な導入
GitHubにて公開されており、Quick Start手順に従い、設定ファイルを作成・設定することで、Gfarmアクセスが可能なNextcloudコンテナを簡単に起動できます。
活用イメージ
研究環境のクラウド化
- 研究データの共同作業
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Gfarmに保存された大容量の実験データを、Nextcloudの共有機能を使って、共同研究者に安全に公開し、共同で編集・分析を進める。
- HPC環境でのパーソナルクラウド
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スーパーコンピュータのファイルシステムを、自分のパソコンやタブレットからWeb経由でアクセスできるパーソナルクラウドとして利用し、データの整理や確認を行う。
- 外部サービスとの連携
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Nextcloudが持つ豊富なアプリ連携機能を通じて、Gfarm上のデータを利用した各種サービス(ドキュメント編集、カレンダー連携など)を構築する。
想定ニーズ・対象ユーザー
- Nextcloud導入済みの組織
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既にNextcloudを利用しており、バックエンドのストレージ容量や性能をGfarmによって大幅に拡張したいと考えている組織。
- スーパーコンピュータ利用者
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専門的なコマンド操作ではなく、直感的で使い慣れたクラウドインターフェースを通じて、計算資源の結果データを管理したい研究者。
- システムインテグレータ
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大規模なデータインフラ(Gfarm)と、ユーザーフレンドリーなフロントエンド(Nextcloud)を、実績のある方法で安全に統合したいシステム管理者。