Gfarm HTTP Gateway

Webアプリケーションで広く利用されている
HTTPプロトコルを通じてアクセスを可能にする仕組みです。

技術概要

Webの力でGfarmファイルシステムを身近に

Gfarm HTTP Gatewayは、大規模分散ファイルシステムであるGfarmに対し、Webアプリケーションで広く利用されているHTTPプロトコルを通じてアクセスを可能にする仕組みです。この技術の中核にあるのは、OAuth/OIDC認証とJWT(JSON Web Token)です。従来、Gfarmへのアクセスには専用のクライアントが必要でしたが、このGatewayを介することで、HTTPリクエストのAuthorizationヘッダにJWTを付加するだけでGfarmにアクセスできるようになります。

これにより、curlなどの標準的なHTTPクライアントやREST APIを通じて、Gfarmの様々な操作(ファイルのアップロード、ダウンロード、情報取得など)を実行することが可能となりました。さらに、このGatewayを活用したGfarm Web Appも開発されています。これはWebブラウザそのものをGfarmのクライアントとして機能させるアプリケーションであり、視覚的で分かりやすい操作を提供します。

特徴と強み

手軽なアクセスと高い安全性

1既存システムとの連携が容易

Gfarmクライアントソフトウェアがインストールされていない環境でも、HTTPプロトコルが利用できる場所であればどこからでもアクセスが可能です。これにより、WebアプリケーションやスクリプトからのGfarm連携が大幅に容易になります。

2Webブラウザでの直感的な操作

Gfarm Web Appを利用することで、パソコンやスマートフォンのWebブラウザから、ディレクトリのリスト表示、ファイルのダウンロード/アップロード、名称変更といった日常的なファイル操作が可能です。

3セキュリティと利便性の両立

ログイン時には、アクセストークンを自動的に更新するための暗号化されたリフレッシュトークンを保持します。この暗号化キーはWebブラウザのクッキーに保持され、Gfarm Web App側では保持しない設計となっているため、安全にリフレッシュトークンを保持できます。ファイル操作時には、Gfarm HTTP Gatewayを通じてアクセストークンの自動更新が行われます。

活用イメージ

場所を選ばないデータアクセス

簡単なファイルダウンロード
curlコマンドを使用して、複雑な設定なしにGfarm内の大容量ファイルを直接ダウンロードできます。
研究データの可視化と共有
Webブラウザを通じてディレクトリ構成やファイル情報(サイズ、オーナー、更新日時など) を容易に確認できるため、研究チーム内でのデータ共有や確認作業が効率化されます。
スマートフォンからの利用
Webブラウザがクライアントとなるため、スマートフォンからGfarmにアクセスし、出先からでもデータ管理や閲覧が可能となります。

想定ニーズ・対象ユーザー

Webシステム開発者
Gfarmの膨大なデータをバックエンドに持ちつつ、フロントエンドで使いやすいWebインターフェースを提供したい方。
リモートワークを行う研究者
遠隔地から、専用クライアントのインストールなしに、大規模な研究データに安全にアクセスしたい方。
システム管理者
標準的なHTTPツールを用いたデータ管理や自動化スクリプトとの連携を容易にしたい方。

その他の技術・開発

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